「奇跡のリンゴ」読む。無肥料、無農薬でリンゴを作るという
無謀な試みを成功させた人—木村秋則さんの格闘の記録。
6年の苦闘の末、死を覚悟して入った山で見つけた答え。
自然の摂理から言えば至極当たり前の結論に到達する。
「森の木々は農薬など必要としていないのだ」
そして自分のリンゴ畑の土と「土がまったくの別物だった」ことに気付く。
リンゴ栽培に限らず、果樹栽培は肥料と農薬なしにはほぼ不可能というのが、
現代農業の常識になっている。
でも、これを続けると土をダメにし、最終的に砂漠化してしまう。
歴史的に観ても、過去に栄え衰退した文明の跡地は砂漠であることが多い。
いつの時代も人は環境破壊によって自ら滅んで来たのだ。
持続可能な農業、持続可能な文明を望むなら、
どうすべきかはもう言うまでもない。
ノウハウを超え、人の「生き方」そのものが問われる。
読後、何かをせずにはいられなくなる。
農業に興味がなくとも一読をお勧めします。