制御不能の原子を前に
ヒトの恐れの膨れゆく
されど、原子とて森羅万象のイノチのひとつ
増大せし恐れを生きる本能に変え
原始のイノチを呼び覚ませ
長崎、広島への原爆投下をテーマに描かれた岡本太郎の「明日の神話」が復原さ
れ、汐留で公開展示されたのが2006年8月。
初めて目の当たりにした時の生々しい衝撃は未だに覚えている。
(2006年08月13日付け日記※)
オリジナルの制作年は1968〜69年。太陽の塔(Expo '70)と同時期に描かれてい
る。
福島原発の試運転が1970年。翌年、営業運転を開始する。
そして、今年はTARO100年祭。再び「明日の神話」がクローズアップされて来た。
何かを予兆するような、不思議な巡り合わせじゃないか?
「明日の神話」は、現在渋谷マークシティー連絡通路壁面に展示されている。
※2006年08月13日付け日記
原子には原始を!(2006年08月13日15:33)
昨夕、ついに生「明日の神話」見る。
広島、長崎に投下された原子爆弾をテーマにしていると言われる
巨大壁画は、同じく戦争・虐殺をテーマとしている
ピカソの「ゲルニカ」とも違い、被爆・敗戦の悲惨さよりは、
それをかえって跳ね返し、吹き飛ばすような勢いを感じる。
間近で見ると、まるで「祭り」の熱気の中にいるような感覚になる。
そう、これは太郎の好きだった「火祭り」の熱気と同じだ!
視線を引いて見ると、高層ビルの谷間に赤々と燃えたぎる太郎爆弾。
ともすれば一個人の個性や表現など現代建築やテクノロジーの前では、
埋没してしまいがちだが、この太郎爆弾は全然負けちゃあいない。
この計り知れぬ原始のパワーは、まさに原子のパワーに対抗出来る。
原子には原始を!