ここ数年テレビのニュースは、ほとんど見ていない。
(新聞ももう10年以上取っていない)
テレビのニュースは、世の中にネガティブなエネルギーを放出している
だけにしか思えないし、わざわざ見なくとも、大きなニュースは嫌でも
耳に入って来るからだ。
もう一つ大きな理由は、大抵のニュース・キャスターやらコメンテーターの
言葉に正義ぶる嘘くささや、お決まりのパターンを感じてしまうからだ。
何でも「.....困ったものですね。」なんてセリフで締めるのは、最悪だ。
そんなこたぁ、誰でも言える。(笑)
しかし、唯一人凡百のキャスターと一線を画す人がいた。
筑紫哲哲也氏だ。それでニュース23だけは、時々見ていた。
テレビ上のコラムと言うべき「多事争論」では、筑紫さんの高い見識に
毎回目から鱗が落ちる思いがした。
あの柔和な態度からは、想像しがたい切り込みで時の権力者たちに
鋭く迫っていた。
日本人の良識を一人担っていたような人だった。
そんな数少ない見識のある大人が、また一人この世を去った。
筑紫哲也さん11月7日没(享年73)肺ガンだった。
生前最後の「多事争論」では、「この国はガンにかかっている」という言葉で
締めくくった。深く考えさせられる言葉だ。
合掌